本学の前身である前橋市立工業短期大学は、戦禍で破壊された前橋市復興の願いを込めて多くの方々の尽力で設立されました。本学で学んだたくさんの優秀な技術者の努力で街は見事に復興されました。現在は、空洞化した市街地等新たな問題に果敢に挑戦することが大学の課題として求められています。そのためには、「技術」が必要です。東北大震災とそれに伴う原子力発電所の大きな事故等により国民の科学技術に対する信頼は大きく低下しています。また、少子高齢化による生産年齢人口の落ち込みにより、これからの日本にこれまでのような経済発展を期待することが難しくなってきています。経済の発展による豊かな暮らしを求めて、自然を犠牲にしてきたのが技術者であれば、そのツケを払うのもまた技術者でしょう。
持続可能な循環型社会の構築につきましては、2015年9月の国連サミットにおいて193ヶ国が2030年までの15年間で達成するために掲げられた目標、すなわちSustanable Development Goals、SDGsが定められております。本学はその7年も前に「持続可能な循環型社会の構築」に関わることをその理念に掲げました。
自分の知っている領域だけに満足せずに、知的関心の領域を広げていくところが大学です。学科再編により新たに専門領域だけでなく、それを超えた分野との交流を促す仕組みを積極的につくってまいります。SDGsの達成と命輝く未来のために、前橋工科大学で共に研究しましょう!
学長 今村 一之(令和3年4月1日より学長就任)