本年4月より学長へ新たに就任しました今村一之(いまむら かずゆき)でございます。新入生と同じで、辞令をいただいたばかりの新米の学長でございますが、前橋工科大学が益々すばらしい大学となるよう努力したいと思っております。
昨年度は新型コロナウィルス感染症の爆発的拡大(パンデミック)により、私たちの生活は大打撃を受けました。本学も対応を余儀なくされましたが、前星和彦学長以下、教職員と学生の努力により、幸いにも大学内でのクラスターの発生もなく乗り越えることができました。
さて、前橋工科大学の前身は昭和27年に創設された夜間の前橋市立工業短期大学です。戦争の惨禍からの復興を願い生まれ、その後さまざまな変革を経て、平成9年に現在の4年制工学部単科大学、前橋工科大学が誕生しました。戦後復興の経済成長は、もはやポストコロナの時代には望めません。ワクチンができ、治療薬が開発されても、もう二度と以前の時代に戻ることはできないのです。
私たちは、これまで経験しなかった全く新しい時代を生き抜いていかねば成りません。いろいろな事を実現するための能力はおびただしく持っているのに、その能力を使っていかなる理想を実現するべきかはわからないという時代です。オルテガ・イ・ガセットは「大衆の反逆」のなかで、「現代の世界はかつてないほどの資産、知識、技術を持っていながら、かつて無かったほどに不幸な時代である。」と述べています。私たちは何処へ向かうべきなのかを教職員、学生とともに考えていかなければなりません。
最後に、前橋工科大学と前橋市の飛躍的な発展を願い就任のご挨拶とさせていただきます。
昭和59年10月 カルフォルニア大学バークレー校客員研究員
スミス・ケトウェル視覚科学研究所研究員
昭和63年 3月 公益財団法人大阪バイオサイエンス研究所研究員
平成 7年10月 公益財団法人大阪バイオサイエンス研究所研究副部長
平成13年11月 理化学研究所脳科学総合研究センター研究員
平成14年 9月 理化学研究所脳科学総合研究センター副チームリーダー
平成20年 4月 前橋工科大学システム生体工学科 教授
現在に至る