人類共通の目標である持続可能な社会の構築に向けて、市民のための工学である土木工学の果たすべき役割を真に理解するとともに、当該分野に関わる高度な専門知識を統合化して実務に応用できる能力、時空間的及び公的な視野の広がりの中で問題を見出してその解決に向けて能動的に行動できる能力、及び実務に携わるために必要な情報伝達・意志疎通の能力を有し、倫理観を持って活躍できる高度専門技術者及び研究者を養成する。
上記の教育理念に基づき、建設工学専攻では、土木工学の分野に関わる専門知識を幅広く修得させるとともに、高度専門技術者としての資質並びに研究者に不可欠な独創性や創造性を涵養させる。そして、土木工学の分野の深い学識とともに、技術的問題に対して課題設定をして解決する力を身につけ、高度専門技術者として継続的な自己学習ができ、技術的のみならず広い仕様でデザインができるようにする。
建設工学専攻では、下記の能力を身につけさせることを目標とする。
a 大学の学部教育で培った教養と土木工学の分野に関わる専門知識などを統合化する能力に加え、当
該分野に関わるより深い学識と理解、並びに先進・先端技術に関する知識
b 工学技術領域の情報からプロセス、システム、技術などに関わる問題を見出し、その解決に向けて
多元的・多層的に思考し、最適な対策を導き出す能力
c 高度な専門職業に就く技術者として、専攻修了後も自身で新たな知識や能力を獲得し、自主的に
継続して学習していく能力
d 修得した教養・専門知識などを統合化し、様々な制約条件下で他者との情報伝達・意志疎通を図り
ながら実現可能なプロセス、システム、技術などを新たに提案できる能力
前記の教育目的と教育目標を達成するために、以下のカリキュラムを配置し、年次に従って実施する。
(1)建設工学専攻のカリキュラムは、研究科共通科目に加え、材料・構造、地域計画、地域環境整備の
3分野における専攻開設科目で構成し、先進・先端技術を含めた高度な専門知識を取り扱う科目を
揃えている。
(2)独創性・創造性及び多元的・多層的思考を涵養するため、研究科共通科目と専攻開設科目あるいは
専攻開設科目間の関連性を考慮して履修するよう指導する。
(3)修了に必要な研究科共通科目・専攻開設科目の単位を1年次に修得するように指導し、それらの座
学・演習により主に問題解決能力と統合化能力、及び1、2年次の特別研究における実験・実習・
プロジェクトなどを通してエンジニアリングデザイン能力をそれぞれ涵養する。
(4)情報伝達・意志疎通に関わる能力の向上を目的として、特別研究より得られた成果を学会などで発
表するよう指導する。
(5)特別研究より得られた成果を指導教員らと十分に議論して修士論文としてまとめ、その過程を通じ
て論理的思考能力と継続的学習能力の向上及び現象・理論の理解の深化を図る。