動くことのできない植物は、外敵や環境の変化に適応し生長するためいろいろな機能を獲得しています。特定の植物系統がもつ特徴的な性質、機能は品種改良や生産性向上に役立っています。これらを明らかにすることで、植物の能力を最大限発揮し、生産性を向上させることを目指して研究をしています。
植物において少し背の低い「半矮性」は、生産性向上に繋がる重要形質としてイネ、コムギ、オオムギなど多くのイネ科植物に導入されています。受粉せずに果実が実る「単為結果性」は、品質、生産性向上に繋がる重要形質としてトマトやナスなどに導入されています。これらの重要形質をもたらす原因を遺伝子レベルで明らかにできれば、品種改良の迅速化や新しい生産技術の開発に繋がることが期待できるため、これらを目指して研究を行っています。これまでの主な研究成果として、国内の多くのオオムギに使用されている矮性「渦」遺伝子や、古くから知られる「brachytic1」オオムギ矮性遺伝子、世界のトマトに導入されている「pat-2」単為結果性遺伝子を明らかにすることができました。またピーマンの果実肥大には植物ホルモン「ジベレリン」がかかわっていることを示してきました。群馬県の特産ネギ「下仁田ねぎ」の矮性の原因解明にも取り組みです。
植物の栽培と生長制御方法、植物ホルモンなど植物成分の分析についての経験が豊富です。これらが必要な局面でお役に立てるのではないかと思います。