歴史的建造物の材料分析を行うことで,その構成材料や硬化メカニズム,耐久性能などの評価が可能である。本研究室では,建設後52年経過した鉄筋コンクリート造建物の長期耐久性調査や,明治初期に建造されたセメント不使用の石灰系材料(石灰コンクリート)の材料分析を行った。
セメントは,製造時に各種の廃棄物や産業副産物を使用することで廃棄物処理の問題に多大な貢献をする一方で,製造時の焼成プロセスで多量のCO2を排出するという宿命を持っています。混和材料を用いたセメント系材料は,CO2排出量を大幅に削減可能な点で近年特に注目を集めており,本研究室では,混和材料の水和反応に立脚した硬化体の物性評価・予測を行うことで,低炭素化社会と高耐久インフラの実現に貢献する研究を行っています。