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第一次視覚野の神経細胞の視覚応答(特に、眼優位性という性質)が解明された。(Hubel & Wiesel, 1963) |
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眼優位性という計測可能な指標に基づいて、可塑性を評価する手法が確立された。(Kasamatsu & Pettigrew, 1976) |
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その後、この大脳皮質のシナプス可塑性の評価法を用いて、その細胞メカニズムや分子メカニズムに関する多くの研究が行われた。可塑的変化が生じる大脳視覚野に薬剤を注入して、単眼遮蔽の効果が減少するか、増大するかを調べたり、最近は、特定の遺伝子が欠損した所謂遺伝子ノックアウトマウスを用いて、その遺伝子と可塑性の関係を調べる事ができるようになった。 |
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しかし、ネコやサルといった両眼性動物の遺伝子ノックアウトは、現時点では困難であり、また、マウスは、元来視覚にそれほど依存することなく生き延びてきた種であり、両眼視能が十分発達しておらず、生理学的にいう所謂「典型動物」ではない。本来の眼優位可塑性の定義にそって、ノックアウトマウスにおいて眼優位可塑性のメカニズムに関する実験を行うためには、注意深い実験計画が必要である。 |
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単一神経細胞の活動を電気生理学的に記録することによる従来の可塑性評価法以外に信頼のおける可塑性評価法を確立することが重要であり、それが本研究室の研究目標の一つである。
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現在のリハビリテーションの基礎は、脳、神経の可塑性に置かれている。 |
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シナプス可塑性のメカニズムを研究し、それを増強することによって新たな機能回復学の確立を目指すことができるのではないか?
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